

シンプルな外観


Harrodsオリジナルのデリカテッセン
 
売り切れてしまう商品もでるくらいの人気

出前もOKの回転ずしの店Yo!Sushi

純度100%のスープやジュースが美味しい購
Energy Kitchen

パテやオイルサーディンなどの瓶・缶詰コーナー

種類が豊富に揃ったドリンクコーナー

二人分£8.75の昼食でピクニック
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今日は久しぶりの快晴。雨の多いロンドンには珍しく“天高く馬肥ゆる秋”とでもいいたくなるほど気持ちがいい天気だ。こんな日はお弁当と本を持って公園に繰り出し、日差しを一杯に浴びるのがいい。そこでハイドパークへ行くことにした。普段なら手作りのお弁当を持って行くのだが、今日は以前からずっと気になっている店「HARRODS102」で昼食を調達して行くことにした。ここは高級品志向が売りのデパート「Harrods」が運営するコンビニエンス・ストアーだ。“コンビニエンス”というから利用者にとって便利な店だとは思うが、果たしてその価格と味、品質は一般庶民が満足できるものなのか興味津々だ。
今年の二月末にオープンした「HARRODS102」は本店の向かい側にある。とてもシンプルな店構えで、本店のような気取りはない。少し拍子抜けしたが、気を取り直し気楽な気分で店に足を踏み入れた。入り口近くにあるフランスのパン屋さん「Fournil de Pierre」が焼きたてパンの香ばしい香りを放っている。本場フランスのカリカリっとしたバケットにチーズと赤ワイン、というのもいいかも?でも、これはいつもの定番だしな〜?と、次に気になったのが、サンドイッチ、パイやトルティーヤのロールサンドイッチ、ティラミスなどが整然と並べられたショーケース。見た限り、値段は£2.00〜£4.00前後で他のスーパーマーケットとあまり変わらない。かえって、他の店より量も多いし質も良さそう。これは今日の一押しかな?でも待って!さっきから食欲をそそる揚げ物の香りが気になる。見ると、中華料理のデリカテッセンコーナーだ。エビのチリソースや春巻きが美味しそう。と、遠くに目をやると何とも懐かしい光景が。そう!ず〜とご無沙汰の回転寿し。オックスフォードサーカスにあるYo!Sushiが出店しているもの。そういえば、これからの季節は身がプリプリとして甘味のあるボタンエビや脂がのった関サバの握りがたまらないのよね〜。だけど、ロンドンでそのねたを期待するのは無理か・・・。メニューを見ると、最低£15.00の注文で£3.00の配達料を払えば出前をしてくれるとのこと。刺身セレクションボックス(£7.00)、巻物や握りセット(£4.50〜£8.00)、パーテーセット(£30.00〜£60.00)などが四十種類。お祝い事などの特別な日には重宝するかもね。この他には、純度100%の野菜スープや果物のジュースが美味しい「Energy Kitchen」。低脂肪、低カロリー、減塩が売りのベーグル・サンドイッチの店「Bagel FACTORY」。そして、カロリーなんか気にしないドーナッツ好きには嬉しい「Krispy Kreme」もある。
いろいろと物色した結果、やっぱりハッロズオリジナルのデリカテッセンとパテ、そして始めて味わう「Fournil de Pierre」のバケット(£2.10)を買うことにした。バケットといえば美味しいチーズも欲しいところだが、品揃えが少なくて惹かれるものがなかったのでやめておくことにした。そして最後は飲み物の選択。手頃な値段のものから高級なもの迄、種類は多い。ワインを選ぶときは、生産国とラベルが決めてだが、どのボトルも「Harrods」の文字があまりにも主張していて、どれも同じに見えてしまう。決め手がないな〜、次の瞬間目に留まったのが、私のだ〜い好きなダーク・エールのHogs Back Brewery(£1.95)。ビールフェスティバルでも好評で、どこの店よりも早く店じまいしてしまったほど人気の高いビールなのだ。一般の店では入手するのが難しいだけに、この偶然の出会いには感激!このときばかりは「さすが、ハロッズ」と賞賛してしまった。
さて、公園でのランチタイム。まずはアスパラガスとチーズのキッシュ(£1.95)を一口。味はさておき?このふっくらとした手作り感は他の店のものにはない食感だ。ではバケットにチキンレバーのパテ(£2.75)を塗ったものはどうかな?パテの素材は良質に思えるが、味は普段食べている他の店のもののほうが数段美味しい。そして、ダーク・エールを一杯。黒ビールとは違うソフトな苦味と、このとてもフルーティーな味が絶品なのよね。
一般庶民の生活からはほど遠かったハロッズが、こうして良質の食品を平均的な価格で提供してくれるのは嬉しいことだ。特に何かと忙しい現代人にとって、デリカテッセンコーナーの充実はとても助かる。まさに時代のニーズに合った画期的な試みだと思う。ただ、ハロッズオリジナル食品の味の面で、もう少し研究して欲しいな・・・と願いたい。 (茉)
2006年10月取材
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